俺が勤めていたのは名もない中小企業。 ご多分に漏れず、社長とその盟友である二名の役員のトップダウンによって組織が回っている。 ノー残業デーに定時退社しないと狂ったようにキレられるのも、社長や役員が「残業は無能の証拠。効率こそ正義」という方針を掲げているからだ。 入社したばかりの頃の俺は、そのことを知って「中小企業なのに進歩的な文化だなあ」と感心したものだが、よくよく先輩に話を聞いてみると「ちょっと前まで定時退社なんぞおっかなくてできなかった」とのこと。 このとき、俺はピンときた。 ”すべては社員にマウントを取るために” 社長や役員がノー残業デーにおける残業に怒りを爆発させるのは決して「定時退社を善と思っている」のではなくて、あくまで「定時退社推奨を理由に社員を抑圧できるから」なのではないかと。 ビジネス書や東洋経済なんかで喧伝される「外資では残業は無能の証拠なんですよ~」という残業害悪論を