プルルルルルルル~。 「16番線、ドアが閉まります。」 2011年11月15日。 水戸ホーリーホックは天皇杯3回戦、G大阪戦を闘うため、前日に大阪に乗り込む。 そんな東京から大阪へ移動する、東京駅で事件は起こった。 水戸からバスで東京駅まで移動したチームは、新幹線の出発時刻、15時10分まで1時間ちょいほど自由行動。 各自、15時10分発の、のぞみに乗り込む。 団体で席をとったため、チームの席は全員同じところに固まっている。 おなじみの新幹線の出発音を座席に座って、聞くと、チームの誰かが声を上げる。 「トキがいない。」 まさか!? 「いや、24のいい大人にもなって、そんなミスはしないでしょ。」 「いや、でもトキだよ?笑」 不安と変な期待がチームの中に渦巻き、そんな会話が繰り返される中、違う誰かが、また声を上げる。 「翔とエイコーもいない!」 その一言で、チームには少しホッとした空気が流れる