1次リーグ突破を決めたスロベニア戦後、イタリア人のカペロ監督は「ついに私の知っているイングランドが帰ってきた」とまくしたてた。英メディアも興奮した。絶賛されたのは、DFジョン・テリーの闘志あふれる献身的プレー。不倫による主将解任、本番を迎えての監督批判、チーム崩壊の象徴でもあったテリーは一夜にしてこう激賞された。「ライオンハート(イングラン代表の愛称)の真のリーダーだ」。 前半にデフォーが奪った虎の子の1点を、イングランドはかろうじて守り切った。後半、スロベニアの怒涛の攻めに、テリーは立ちはだかった。ハンダノビッチのシュートを体を投げ出してのスライディングでブロックすると、リバウンドに詰めたデディッチのシュートの前に、今度は顔面からダイブした。しかもペナルティーエリア内でハンドは許されないため、両手を後ろに隠してのダイブだった。 テリーの思いは仲間にも伝わった。試合終了のホイッスルが鳴ると