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初めて指輪を買った。 大学の卒業旅行として一人で海外旅行に行くことを決めてから、防犯について色々調べた。その中で、指輪をつけているとナンパされることが少し減る、という記事を読んだ。 彼氏もいたことがないのに指輪なんて、そもそも声をかけられるような見た目をしていないし、とは思った。だが、トラブルに巻き込まれる可能性が減るに越したことはないので、駅の中にある小さな雑貨屋に入った。 可愛らしい店員さん達が話し込んでいる後ろで、右手の薬指に気になった指輪をいくつか嵌めた。誰も私のことを気に留めていないだろうに、無性に恥ずかしくていやに汗をかいた。 ふと見ると指輪のタグに数字が書いてあった。私の指にちょうど合う指輪のタグの数字と、就活のときに買ったリクルートスーツのサイズが同じだった。指輪にサイズがあることは知っていたが、洋服のサイズと同じだということは初めて知った。 そんなこんなで気に入った指輪を
日本経済新聞の名物連載「私の履歴書」。現在連載中の石原邦夫氏(東京海上日動火災元社長)について、経営学者の楠木建氏が「桁外れにつまらない」と評して話題を集めている。どこが“桁外れ”なのか――。 ■1カ月の連載でその人のセンスを知ることができる 日本経済新聞文化面の連載読み物「私の履歴書」を習慣的に読んでいる人は多い。僕もその一人だ。大きな事を成した人々が自らの仕事と人生を振り返る。一人で1カ月連載が続くのがいい。その波乱万丈の人生をゆっくりじっくりと追体験できる。 経営者が登場することも少なくない。学者という仕事柄、経営者の自伝が勉強になるということもあるのだが、僕が「私の履歴書」を読む動機は、それ以上に功成り名を遂げた人々の「センス」を知ることにある。 その人のセンスはスキルを超えたところにある。あれができる、これができる、といっているうちはまだまだ。本当のプロとは言えない。余人をもって
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