銀行員志望から料理人の道へ、老舗ホテルでフランス料理の基礎を叩き込まれた 朝4時台から練習し夜まで仕事。コンクール後はオーストラリアで研さんを積む 「クラージュ」古屋聖良シェフの思い出が詰まった“スペシャリテ”2選 東京・麻布十番の裏道にたたずむ人気店「クラージュ」。そこで料理の腕をふるうのは、2022年、フランスのレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』の日本版で「期待の若手シェフ賞」を受賞した古屋聖良シェフだ。才能と情熱、技術力にあふれ、今後の活躍を大いに期待させる新進気鋭の料理人が女性であることも話題を呼んだ。 ガストロノミーの世界で「シェフ」と呼ばれる女性は、まだまだ少ない。シェフ(chef)とは、もともとフランス料理の現場で料理人たちを統括する料理長のこと。本人は「特別な苦労はなかった」と話すが、男性社会の中で料理人として切り開いてきた道は、険しいものだっただろう。そこに到達するまでの紆