「日米安保条約で米軍に基地を提供したときから日本は集団的自衛権を容認してきた」という論点を、5月2日公開コラムで紹介した。今回はその続きを書く。 米軍基地と「戦争巻き込まれ論」 まず1960年に改定された日米安保条約を確認すると、第6条で「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」とある。 ここで条約は「日本の安全」とともに「極東における国際平和と安全」にも寄与する、と定めている。とはいえ当時、日本側の主たる関心は「日本自身の安全」だった。一方、米国側は日本はもとより、極東の平和にも重大関心を抱いていた。米国は韓国、台湾と相互防衛条約を結んでおり、西側自由陣営の盟主として韓国、台湾が共産勢力の手に落ちるのは絶対に阻止しなければならなかった。 日米の関心のズレが