「パンがなければみそをなめればいい」。独特の食文化を持ち、見えっ張りとされる名古屋人が東京で奮闘する姿をからかい気味に描いたライトノベル「8番目のカフェテリアガール」(集英社)が話題を呼んでいる。作者は名古屋市中村区在住の作家石原宙(そら)さん(32)。「大いなる田舎」といわれるあか抜けない気質を逆手に取った自虐ユーモアで、名古屋市内の書店で売れ行きは好調だ。 (河郷丈史) 小説の舞台は、八つの学食が客の争奪にしのぎを削る東京の高校。極度の「みそアレルギー」のため名古屋を逃げ出して進学してきた主人公の男性「米田シロ」が、アルバイトをしている学食「満天」の客を増やすため、一度は決別した名古屋の食文化を駆使して奮闘する。 そんな主人公を支える妹の「なごの」は、兄の高校に転校して同じ学食でアルバイト。生クリーム、あんこ入りのスパゲティをメニューとして出し、東京の学生たちを驚かせる。一方で、名古屋