静岡市が、路面電車の導入を検討している。環境に配慮した次世代型(LRT)で、3ルートが浮上している。市は今年度中にルートを絞り込み、採算性や停留所、車庫の整備などを盛り込んだ基本計画案をまとめる。市民の合意をどう得るのか。自動車の抑制や財政面など、課題も多い。 ◆年度内に基本計画案 LRTは、低床式で高齢者や体の不自由な人も利用しやすいのが特長。排ガスや交通渋滞を減らすために欧州で導入が進められ、国内では2006年に初めて、富山市に導入された。 市は、車を使わなくても暮らしやすい街の実現を掲げ、07年度からLRTの導入可能性の検討調査を始めた。昨年9月、静岡商工会議所の後藤康雄会頭の提案で、市にLRT導入研究会(会長・久保田尚埼玉大大学院教授)を発足させ、議論していた。 12月にまとめた報告書では、「中心市街地には最適な交通システム」と結論づけた上で、主なルートとして、静岡鉄道の新