菅政権は昨年9月の発足直後から、「縦割り行政打破」やデジタル庁創設などを掲げてきた。菅義偉首相のブレーンの一人で、パソナグループ会長の竹中平蔵元総務相(70)に、その狙いについて聞いた。【聞き手・加藤明子】 ――小泉政権が命運を懸けて取り組んだ郵政民営化に、竹中氏は担当相としてかかわった。菅政権は何を推進すべきか。 ◆政治家は皆、「これを実現したい」という思いで大変な選挙を乗り越えてくる。官房長官時代の菅氏に「一番やりたいことは何ですか」とフランクに聞いたことがある。菅氏はそのとき「日本を良くするために、役所の縦割りを打破したい」と言った。頭の中には常に、縦割り打破があるのだろう。 その象徴がデジタル庁だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、日本のデジタルトランスフォーメーション(情報技術を活用した業務変革、DX)が極めて重要だと分かった。アフターコロナの世界は、デジタル資本主義の競争になる。