ブックマーク / www.devushow.com (2)

  • 金属の冷たさ - 一日一善と三膳

    佳純が成田空港まで一緒についてきてくれた。ゲートをくぐる直前に佳純は泣き出した。おれは黙って佳純を抱き寄せた。 "公共の場でこういうことはしたくないな。それに一月も経てば、違う男の子と仲良くなって、おれのことなんて忘れてしまうのに。いや、責めてるわけじゃないんだ。おれだって多分そうなんだから" そんなことを考えながらしばらく佳純を抱きしめて、おれはゲートをくぐった。佳純は泣きながらも顔をあげて手を振ってくれていた。おれも手を振ったが、金属探知機が鳴った。 おれはポケットを探った。右後ろのいつも空っぽにしているはずのポケットに手を入れると、ひんやりと冷たい感触がした。 おれはそれを手に取り、20代前半くらいのかわいい保安員の女の子に手渡した。 「これなんですか?」 「鼻毛カッターです」と真顔で答えた。 保安員の女の子は笑った。おれも笑いたかったが、ゲートの向こうで泣いている佳純を尻目に笑う訳

    金属の冷たさ - 一日一善と三膳
  • 自己紹介させて頂きます - 一日一善と三膳

    中途で入ってきたおじさんが自己紹介の際に「案外こう見えて45歳です」と言った。だがおじさんはどこからどう見ても45歳だった。 新入社員の女の子は「よく似ていると言われるのは、アンハサウェイです」と言っていた。いろんな意味ですぐに仲良くなりたいと思った。だが相手はアンハサウェイだ、そんなに気軽に声なんてかけられない。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 最近有り難いことに、ブログにスターやコメントを頂くようになった。ここで一つ自己紹介をしたいと思う。 おれの名は、二郎。 昨日自分のこのブログを、知らない人が書いたものだと思いながら読み返してみた。結論:なんだか怖い。狂気を感じる。 なぜ、知らない人が書いたものだと思って読み返したかというと、先日おれが小山君に同じことを言ったからだ。小山君の作ってくれた資料が実にわかりにくかった。「ねえ小山君、この資料、小山君の部下が作ったものだと思ってもう一度見直してみて」

    自己紹介させて頂きます - 一日一善と三膳
    waseda-neet
    waseda-neet 2017/08/09
    "「案外こう見えて45歳です」と言った。だがおじさんはどこからどう見ても45歳だった。" クソワロタ。そのおじさん意図してたらセンスあるし、意図してなかったら可愛い。どちらにせよ、一瞬で興味を持ってしまう。
  • 1