8月6日の原爆の日、広島市中区であった平和記念式典で放たれたハトのことをX(旧ツイッター)で投稿した。実はこのハト、レース用の伝書バトだ。今年は250羽。多い時は1300羽だったというから、ずいぶん少なくなった。理由を探ると、飼育の苦労が見えてきた。 【写真】平和記念式典で放たれたハト(2023年、2018年、2010年、1986年、1968年) 広島県熊野町の山あい。約130羽の伝書バトを飼っている細川清さん(78)を訪ねた。日本伝書鳩協会理事で呉支部の相談役を務めている。「60年余り育ててきたが飼う側もハトももう疲れとるんよ」と寂しそうにつぶやく。 今年の平和記念式典は16人から計250羽の提供を受けた。この10年で最も多かった2017年の32人計518羽に比べほぼ半減した。 高齢化で飼い主が減っている。レースは、帰巣本能を生かして指定の場所から鳩舎(きゅうしゃ)まで戻る時間を競う。距