Artificial Radionuclides in the Environment 2007 Geochemical Research Department, Meteorological Research Institute, JAPAN ISSN 1348-9739, Dec. 2007 気象研究所地球化学研究部では、1950年代後期から40年以上の期間にわたり大気圏での人工放射性核種の濃度変動の実態とその変動要因を明らかにすべく、環境影響の大きい重要な核種について観測を継続してきた。特に人工放射能の月間降下量(90Srおよび137Cs)の長期観測結果は2007年の4月で満50年となる(Fig. 1)。本章では半世紀に亘る研究を概観する。 研究の進展と核実験や原子力施設の展開とを考慮しつつ、時代を区分した。1)1950年代の黎明期、2)1960年代の米ソなどの大型核実験期および