印刷 沖縄本島の米軍ギンバル訓練場(金武町〈きんちょう〉、60ヘクタール)が31日、米軍統治下の接収から54年ぶりに返還された。在日米軍基地が集中する沖縄の負担軽減を掲げた1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意の一環。条件とされたヘリコプター着陸帯の町内での移設に反発が起き、返還は予定より13年遅れた。 訓練場には、沖縄の日本復帰前は核ミサイルの格納施設もあった。海兵隊がヘリ離着陸や野戦訓練をし、住民は騒音や夜の照明弾に悩まされた。軍用地主の農業男性(70)は返還を喜びつつ、「ミサイル施設跡のコンクリートを国に撤去してもらわんと」と話す。 跡地には、政府の補助金を使う医療施設建設や海外のホテル誘致を町が計画。視察した儀武剛(ぎぶ・つよし)町長は「この地を踏みしめ、感無量だ。できるところから一歩一歩。沖縄の基地の整理縮小、跡地利用のモデルになれば」と語った。