左は柿の皮を飼料に5%加えたニワトリの卵。黄身の色がやや濃くなっていた。右は柿の皮を飼料にまったく加えなかったニワトリの卵。黄身の色はやや淡い=東海学院大学提供 ニワトリの飼料に混ぜると、卵の鮮度が保たれ、味も落ちず、黄身の発色も良くなる。そんな柿の皮の効用が、東海学院大学(岐阜県各務原市)の実験でわかった。干し柿用の渋柿を生産している農家が処理に困っている皮を活用できないだろうか。柿産地の岐阜県内で、地域の「ごみ」を「宝」に変えようと、取り組みが始まっている。 岐阜県は、全国的に栽培される甘柿「富有柿」の日本一の産地。渋柿も加えた生産農家は本巣市や大野町などに3千戸前後を数え、農林水産省などの統計によると、柿の収穫量でも全国4位(2005年)にランクされる。 一方で「廃棄物」の処理が、農家の負担になっている側面もある。渋柿を干し柿に加工する際に出る皮は年間約33トン。形や大きさなど