世界的に貴重な歴史、神学、美術関連の蔵書を誇るローマ法王庁のバチカン図書館が19日までに、900万ユーロ(約10億円)をかけた約3年間の改修工事を完了した。特に貴重な書物を守るため、一部書庫を「核爆発にも耐えられる」(同図書館)シェルターのような造りにしたほか、蔵書管理用などにハイテク機器も導入された。 同図書館は15世紀半ばに設立。最も古い聖書写本の一つとされる「バチカン写本」が有名で、シェルター型書庫に収められるとみられる。初期の活字印刷本(インキュナブラ)なども含め蔵書は100万冊以上。内部は美しいフレスコ画で飾られている。 蔵書を管理し紛失を防ぐため、約25万冊に電子チップを装着。蔵書が傷まないようコンピューターを使った温度、湿度管理システムも全館に導入した。(共同)