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できる営業職だった父の背中を見て育った。 学校の成績は良かったが、我ながらおとなしい性格だったので、父のような会社員にはなれないだろう、と小学校高学年の頃に悟った。その頃の将来の夢は考古学者。シュリーマンになりたかった。 それから数年。私が中学生のとき。父、癌を患う。一命は取り留めたものの、落ちた体力では、かつてのように仕事はできなくなる。会社はクビになった(病状の割には長く引き止め、部署を移すなど色々と対策もしてくれたが)。大学時代の友人の伝手で、小さな会社で働き出し、そこでも成果を出すものの、癌の転移が発覚。私が高校の時分に早逝した。 その後、母が生命保険や退職金を切り崩して捻出してくれた金で、出来が悪かったにもかかわらず、私は大学に入学した。小学校時代の神童も、今となっては人並以下。考古学者の夢はとうの昔に捨てていた。折からの不況。まったく学問として興味はないが、手に職のつく資格が欲
そうか僕が「雑種路線」という言葉で表現したかった何かは、本書でいうところの「けものみち」だったかと腑に落ちた。これまで漠然と属人的にしか語ることのできなかった時代の転換期を生きる知恵のようなものが、精緻に言語化されている。IT産業に身を置くひと、これからIT業界を志すひとに限らず、これからの時代を生き抜く上で誰もが得るところのある本ではないか。 「けものみち」という誰にとっても現実的な新しい生き方の智恵を示した上で、自分に合った「けものみち」を模索するための「ロールモデル思考法」という方法論にまでブレークダウンしているところが特に秀逸といえる。コンサルタントとしてIT社会で起こっている変革を、噛み砕いて説き起こしてきた著者の面目躍如といったところか。 本書を読んで僕を含めて多くのヒトが勇気づけられただろう。これから就職活動をする学生は特に、何となく憧れから有名企業や羽振りのいい業界ばかり受
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