2008年03月10日02:00 カテゴリ書評/画評/品評 私がPRESIDENT 2008.03.31号のために選んだ本15点 3月10日販売の「PRESIDENT」次号の特集.... PRESIDENT 2008年 3/31号 「一流社員が読む本二流が好む本」の「ITの潮流」の選者をつとめさせていただいたので紹介します。 各界で「アルファ」な方々が一人あたり15点紹介。選者が20人というわけで計300点。全体的に、「本がわかる」というより「選者がわかる」という趣きの300冊ですが、「いかにも『プレジデント』」というものもあれば、「え?これが『プレジデント』?」というものもあって、選評を見ているだけで楽しい一冊です。本好きの方なら、分野を問わず絶対楽しめるはずです。 ひとつ「やられた!」と思ったのが、「心理学」担当の内藤誼人さんが「ギャグマンガ日和」をリストに入れていること。なんか一気に
大規模分散システムについて、よい本が出た。『Google を支える技術 巨大システムの内側の世界』である。梅田望夫氏が『ウェブ進化論』(64ページ)にて「情報発電所」と称した「超大規模」分散システムの構築と、その上で動くシステムソフトウェアの設計・実装について、Google(グーグル)のシステム関連の主要論文を解説する形で、手際よくまとめられている。実用に供されている大規模分散システムを知るためにも、インターネットや計算機科学に関わる技術者であれば(いや、たとえ技術者でなくとも)、一度は目を通すべき本。 章立てと概要・原論文は以下の通り: 第1章 Google の誕生 初期の Google の検索エンジンの設計・実装について。検索エンジンの仕組みの解説。→原論文 第2章 Google の大規模化 検索エンジンの大規模化・クラスタ化。ソフトウェアによって信頼性を高め、コストの安いハードウェア
インターネット上で立ち読み感覚で利用できるGoogleブック検索が、国内でも始まった。通常のWeb検索では書籍の中身まではなかなか検索できない。どの本に載っていたっけ――という悩みも解消できる? この言葉、どの本に載っていたっけ? と悩むことはないだろうか。通常のWeb検索では書籍の中身まではなかなか検索できない。7月5日、Googleが発表した「Googleブック検索」では、一部ではあるが日本語の書籍の全文検索が可能になる。 Googleブック検索は、2004年秋に英語圏で公開した「Google Book Search」の日本語版。Googleでは、国内大手十数社をはじめとする出版社とがパートナーシップ契約を結んで、日本語の書籍をデジタル化。書籍の中身を検索できるようにした。なお、一部書籍の中身を検索できるサービスは、2005年11月にAmazon.co.jpでも開始していた(2005年
ゲーデル入門のつもりで読んだが、「数」の恐ろしさを思い知ると同時に、確かだと思い込んでたリアルがゆらぐ。急に足元が消えたような感覚にとらわれる。そのへんのミステリよりも背すじが寒くなる。 8章まで面白く読める。聞き手の「おっさん」が程よく分かっていないので、絶妙の質問をしてくる。まるでわたしの代わりのようだ。おかげで、「わからない」から「わかる」快感をたっぷり味わう。 興味深いのは、「わかった」とするときの居心地悪さ。アタマでは分かっても、腹に落ちない「だまされているような感覚」がつきまとう。例えば、 「1= 0.999…」について、ありがちな説明として、 1 = 1 両辺を3で割る。左辺は分数、右辺は小数で表現すると、 1/3 = 0.333… 両辺に3をかけると、 1 = 0.999… 聞き手の「おっさん」は、これがうさんくさい、という。 つまり、0.99999999999999999
2008年02月24日15:00 カテゴリ書評/画評/品評Art 書評x2 - バカな人事/社員を働かせてはいけない 「バカな人事」はあさ出版編集部吉田様より、「社員を働かせてはいけない」は著者本人よりそれぞれ献本御礼。 社員を働かせてはいけない 蛭田敬子 バカな人事 中村壽伸 双方とも、人事コンサルタントで、双方とも「今後人事はどうあるべきか」を本にまとめたものであるが、その姿勢は実に好対照だった。 結論から言うと、読むべきなのは「社員を働かせてはいけない」の方。「バカな人事」の方は心にもふところにもよほど余裕があれば読めばよい。もっとはっきり行ってしまうと、私が経営者の立場で人事コンサルタントを探していたとすると、依頼するのは蛭田敬子の方ということになる。 「バカな人事」 - 目次 第1章 日本の会社の「人事」はここが間違っている 第2章 「公平な評価」が不公平を生み出している 第3章
Software Design (ソフトウエア デザイン) 2006年 10月号 [雑誌] 技術評論社AmazonSoftware Design (ソフトウエア デザイン) 2006年 10月号 [雑誌] 技術評論社Amazon 特別企画 Plagger3分Hacking 俺流Plagger活用術 1章:Plaggerって何?……竹迫良範 監修 2章:Plaggerを使ってみよう……竹迫良範 監修 3章:俺流Plagger3分Hacking……竹迫良範 監修 コラム:Plaggerのアイデア……宮川達彦 そもそもPlaggerってなに? と言う所から始まり、具体的な機能解説、そして「はらへったピザ」などの応用例まで。約30ページの特集ですが、こんなに分かりやすいPlaggerの解説は初めてかも。プログラムとか全然分からない人でも普通に読める内容です。超初心者でも問題ありません。興味のある方
すっかり更新が遅れてしまいましたが(今は土曜日の深夜…)、金曜日に読んだ『頭のいい人が儲からない理由』という本について書こうと思いつつ、うまくまとめられず、とりあえず金曜版として、まずはさらりとご紹介することにします。 以下、「まえがき」より。 あふれる情報の波にさらされ、しかも、強迫観念から自らの情報収集行為をやめられず、未消化で雑多な情報の海に飲み込まれ、おぼれて窒息寸前の人々。 当たり前のことだが、そんなふうに受け身に情報を受け取るだけでは、まるでアウトプットに活用できない。何年も何十年もかけて溜め込んだスクラップ・ブックなど、読み返されることはないだろう。 私の周りも、そんな人ばかりで、何とか助けてあげたいと常日頃思っていた。そこに舞い込んだ本書の執筆の話で、いくらかそういう人々を救う手助けになるのではないかと考え、それを引き受けることにした。 (中略) 本書の根底を流れる思想は、
2006年12月20日21:00 カテゴリ書評/画評/品評 書評 - 「負けるが勝ち」の生き残り戦略 危うく見落とす所だったが、これは面白い。 「負けるが勝ち」の生き残り戦略 泰中啓一 「年末年始に一冊新書でも読んでみるか」という人は、是非本書を忘れないようにしていただきたい。 本書「『負けるが勝ち』の生き残り戦略」は、副題の「なぜ自分のことばかり考えるやつは滅びるのか」ということを、実験科学的、すなわちシミュレーションにより考察した本である。 目次 プロローグ 情けは人のためならず 第1章 スキャンダル候補が選挙で生き残る 第2章 じゃんけんゲーム 第3章 進化とは最適化のプロセス―自然選択ということ 第4章 「負けるが勝ち」の進化論 第5章 近親婚を避ける生物界のシステム 第6章 なぜ男の子の出生率が高いのか エピローグ 汝の欲せざるところを他人に施すなかれ 本書の最大の美点は、ページ
「シリコンバレー精神―グーグルを生むビジネス風土」(ちくま文庫、640円)が、8月10日に発売されます。アマゾン、紀伊国屋での予約販売が始まりました。 シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫) 作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/08/10メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 263回この商品を含むブログ (241件) を見るhttp://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=YK-0003130 僕は、著作を量産するタイプではないので、本を出版する機会があれば、できるだけ丁寧な仕事をすべく心がけていますが、前著「シリコンバレーは私をどう変えたか」の文庫化が決まって悩んだのは、ちょうど五年前(2001年8月10日)に出た前著に何を増補すれば、この本をいま読
この本の帯に「読むと勇気がわく話 全55問」とあるように、編集部が用意した「なかなか答えにくそうな面白い質問」に、東大総長・小宮山宏がかなり本気で本音で答えている本である。この本は若干僕も関わりがあるので、僕の褒め言葉は割り引いて読んでいただいてもいいですよ、と最初にお断りしておくけれど、本当に面白い本である。 何が面白いかといえば、何より、小宮山宏が「天然」っぽい面白さを発散しているということである。読んでいて僕でも「あれっ」と思うところがときどき出てくる。「こんな本当のことを言っていいんだっけ」と思う箇所によく遭遇するのだ。僕も日本で教育を受けて三十過ぎまで日本に住み、日本企業とビジネスをやり、どっぷりと日本社会に浸かってきたわけで、昨日のエントリーのようなことは、けっこう意を決して書いているわけだけど、小宮山宏はすいすいとそういう心理的障壁を乗り越えていく「天然」っぽい「おっちょこち
2006年12月20日18:30 カテゴリAnnouncement 「まるごとPerl! Vol.1 」のGoogle Book Search全文公開は事故 これは、事故である旨の連絡が株式会社インプレスジャパン土田米一社長名で届いてのでお知らせします。 まるごとPerl! Vol.1 [インプレスのページ] 適宜覚書はてな異本 - 「まるごとPerl! Vol.1 」がまるごとGoogleBookSearchで公開されているこれってよく知られたことなのかな?それも部分公開ではなく全文公開だ。インプレスジャパンが公開を許可しているらしい。小飼 弾 様 平素は大変お世話になっております。 すでにお聞き及びの方もいらっしゃるかと存じますが、Google社のブックサーチ サービスに弊社より提供した書籍14冊の内容が、閲覧制限20%で設定されるべきとこ ろ100%に設定され、全文を閲覧できる状態で
不定期連載「ヒットの“共犯者”に聞く」。「涼宮ハルヒの憂鬱」編の第2回は、「ハルヒ」の音楽CDを発売している、ランティスの井上俊次社長、松村起代子取締役、現場で「ハルヒ」の音楽を担当した斎藤滋プロデューサーにお話を聞きます(本企画の趣旨は第1回の、角川スニーカー文庫編集部編をお読み下さい。こちらです)。 聞き手は私と、ウェブサイト「[mi]みたいもん!」の、いしたにまさき氏です。 いしたに氏は、このアニメを取り上げ、ウェブで大きな話題になったエントリ、「涼宮ハルヒが起こしたYouTubeの憂鬱、ネットマーケティングの大成功例。」の筆者。これを読んで、ぜひ力を借りたいとお願いし、取材に同行して頂きました。 前回同様この記事は、発言にできるだけ手を加えていません。ご自身で考えるソースとして使っていただければと思います。結論ありきの構成ではないため、若干読みにくいかもしれませんが、どうぞご了解下
第6回フランツ・カフカ賞(フランツ・カフカ協会主催)を受賞した作家村上春樹さん(57)が10月30日、プラハ市で開かれた贈呈式や会見に出席した。公の場に出ることが少なく、「本当に現れるのか?」と関係者の気をもませたが、現地では「もっとも好きな作家のひとり」というカフカへの思いを率直に語った。 贈呈式に先立ち、地元出版社の主催で、記者会見が開かれた。チェコでは『海辺のカフカ』が出版されたばかり。会見場所となったホテルの一室は50人以上の地元メディアが詰めかける関心の高さで、プラハを初めて訪れた村上さんを驚かせた。 「『海辺のカフカ』では15歳の少年を書きたかった。僕が初めてカフカを読んだのが15の時だったから、主人公にカフカという名前をつけた。その意味で、この本はカフカへのオマージュといえます」 なぜ主人公の名が「カフカ」なのか、と問われての答えだ。カフカ少年は15歳にして「変身」「審判」「
NYTのGoogle Book Searchの特集記事が日本語訳となってクーリエ・ジャポンに載っていました。 Google 全世界の本をスキャンせよ! 奇想天外な発想で、 ネット業界をリードしてきたグーグル。 地球上のあらゆる書物を集める 「万能図書館」構想も、世界中を驚かせた。 "人類の英知"を一つにできる時代はやってくるのか? ここら辺が興味深かったです。 「ミリオンブック計画(Million Book Project)」では、人件費の安い国に書籍を送りスキャンを行う。スタンフォード大学では一冊に30ドルかかるが中国では10ドルですむ。現在は1日10万ページの速度で進行中。スキャン工場はインドと中国に計20ヶ所以上あり、2年以内に100万点以上の本をデジタル化する 本の単位は1冊から1ページ、1ラインへと変化。熱心な読者がページとページをリンクで結び、タグを利用して繋げていく。 著述家
ご存知の方も多いだろうが、あの佐藤優氏が「週刊SPA!」で人生相談コーナーを始めている。「起訴休職外務事務官佐藤優のインテリジェンス人生相談」というタイトル。「外務省のラスプーチンと呼ばれた諜報業務のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!」というふれこみ。なんだかすごいぞ、と思って見てみたら、中身はもっとすごかった。 なんたって「インテリジェンス人生相談」だよ?「インテリジェンス(intelligence)」を英和辞典をひくと、「━━ n. 知能, 知恵; 理解(力); 情報; ((集合的)) 情報機関[部員]; (時にI-) 知性的存在, 霊.」なんて出てる。この場合は当然、情報機関といったニュアンスだろう。「諜報業務のプロが、その経験をもとに」答えてくれるという、なんともおそろ、もといすごい話ではないか。 で、7月24日号に掲載された初回の相談は、「連載初回のため、編集部が相談
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