トイレに入ろうとすると、床に黒い足跡が点々とついていることに気が付いた。壁を見ると、手書きで「なぜ僕は」と一言書かれている。個室に入ると、悲しげな歌がどこからともなく聞こえ、手を洗おうと洗面台に立てば、鏡に知らない女性の顔がぼんやりと浮かびあがる――。 夏の深夜番組で出てきそうなこの設定、実はホラー映画の宣伝のために作られたものだ。しかも、実際に都内の商業施設内にあるトイレがこの夏、いくつもこの設定下に置かれた。何も知らずにトイレを利用しようとした人は突然の出来事に驚き、自分のブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)にこの事を書き込んだ。 このプロモーションを仕掛けたのは、インターネット広告代理店のNIKKOだ。8月25日より公開された映画「伝染歌」のプロモーションのために都内約30カ所のトイレをジャックし、1つ1つ手作りで“恐怖のトイレ”を仕掛けていった。 面白いことをしない
今年の夏、男女各1名のさわやか系高校生が人気を集めた。一人は高校野球の優勝校、早実の「ハンカチ王子」こと斎藤投手。もう一人はアニメ映画「時をかける少女」(製作総指揮・角川歴彦氏、配給・角川ヘラルド映画)の主人公、紺野真琴(写真参照)だ。(「時かける少女」の主人公は芳山和子だったはず、と思われる方もいるだろうが、今回のアニメ版の主人公は芳山和子の姪(めい)という設定で舞台も現代に移してある。) 限られた製作・宣伝費なのにヒットのワケ 「ハンカチ王子」のような愛称は、かつてなら雑誌編集部かテレビ局が命名したり、町で自然発生したものを取材力ですくい上げ、大見出しを立てて広めたものだった。今回はインターネットがその役割を担った。そして後者の「時をかける少女(以下、時かけ)」のヒットもまた、インターネットが重要な役割を務めた。 夏はアニメ大作が集中公開される。日本テレビが製作に参加し大量宣伝を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く