連載長編大河小説「HTML売りの少女」 最終回 「HTMLは要りませんか?」 「HTML買ってください。」 冷たい北風が吹き荒れる街角で、今日も少女は道行く人々にHTMLを売り続けました。 「HTMLはいかがですか?」 「心のこもった暖かくて分かりやすいHTMLです。」 「Web標準準拠のHTMLは要りませんか?」 しかしすれ違う人々は冷たく少女を突き放すのでした。 「内製してるから要らないよ。」 「ブログサービスがあるからそれで充分。」 「SEO?もうたっぷりやってあるわ。」 疲れ切った少女は街の片隅に座り込んでしまいました。 少しでも暖かさを得ようと、 DreamweaverでHTMLを「ブラウザでプレビュー」しました。 一枚目のHTMLでは、 ページの中で暖かそうな家族がひとときの団欒を繰り広げていました。 二枚目のHTMLでは、おいしそうな料理写真が表示されてい