幼児が生後18カ月前後に急激にボキャブラリーを増やすメカニズムは、意外とシンプルに説明できるかもしれない――そんな研究報告が8月2日、米科学誌Scienceに発表された。アイオワ大学のボブ・マクマレイ助教授によると、子供に「ボキャブラリーの急増」が起こるのは、難易度が異なる単語を同時に繰り返し学ぶという単語習得の方法によるものだという。 「発達心理学や言語発達の分野ではこれまで、ボキャブラリーの急増を説明するのに、ある時点で子供に何らかの変化が起こるからだと仮定してきた」とマクマレイ助教授。子供が「ものには名前があることを発見」したり、「より効率的なメカニズムを使い始め」たり、「習得した単語を使って、新しい単語を発見し始め」たりすることが理由だとされてきたという。 一方、同助教授は、コンピュータシミュレーションと数学的分析を行った結果、単語はある一定数の繰り返しを行えば習得できると考える。