学生時代、何の考えもなく、コンビニでバイトをしていた。 僕の先輩に、細野さん(22)という歌手デビューを目指し、 駅前や路上で歌うロックなフリーターがいた。ロックを知らない僕から見ても、彼はロックだった。 いらっしゃいませーとか、ありがとうございましたーという挨拶ですらYAZAWAみたいだった。 いらっしゃませェィェァァッみたいな感じだった。ィェァって小声で言ってた絶対言ってた。 彼は今まで引きこもり体質の僕の周りにいないタイプの人だったので、妙に惹かれるものがあり(恐らくカリスマ性ではない) 僕は彼と積極的に同じシフトに入った。 彼とのアルバイトは刺激的だった。 彼は金髪で、コンビニの制服の上から懐中時計(洋画で爺さんの形見にもらいそうなアンティークなヤツ)をぶらさげ接客していた。 時折スライドする蓋を開き、目を細め見つめるので、本当に大切なものかと思ったが、レジにガンガンあててたので恐