『コーヒー&シガレッツ』(Coffee and Cigarettes/2003) ジム・ジャームッシュの映画作りは、一貫してキャスティングから始めることは有名だ。完成した脚本があってそれから打診するのが一般的な進め方だが、彼はそうしない。 気楽に作りたかった。僕が出てほしいと思った人たちにまずは声をかけてみる。承諾してくれたら脚本を書いて撮影するって感じだね。役者の組み合わせを考えるのがとにかく楽しいんだ。イギー・ポップとトム・ウェイツ、ビル・マーレイにはGZAとRZAとか。 その独特とも言える、役者が持つイメージや雰囲気を活かした映画作りは、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』とジョン・ルーリー、『ダウン・バイ・ロー』とロベルト・ベニーニあるいはトム・ウェイツ、『ミステリー・トレイン』とジョー・ストラマー、『デッドマン』とジョニー・デップなどに反映され、妙なクセがありつつも愛すべき作品を