■「コンピュータは私という人間をよく知っている」NHK記者: 禅問答のようになって恐縮なのですけれども、対局しているときに(相手は)コンピュータという意識なのか、あるはよく「棋は対話なり」と言いますが、何か人間らしい対話をしている気分になったりとか、コンピュータとやっているのに人間らしさみたいなものを感じたりということは、今日の対局でありましたか。米長: 非常に良い質問であり困る質問でもあるのですけれども、私はとにかく将棋場に向かうと、相手がコンピュータであっても人間誰であっても全く同じように心がけているのです。ですからコンピュータだという意識はあまり無かったのですね。それがあそこまでうまく指せたということ。 もっともコンピュータ相手だからそう指したのであって、コンピュータでなければ、またコンピュータのなかでもボナンザでなければ、私の研究では初手6ニ玉ではなかったと思うのですね。 ですから