「嫌韓」「嫌中」の本が書店の棚にずらりと並ぶ。そんな風潮に一石を投じようという動きが書店や出版関係者の中で続いている。大阪市の大手書店には、隣国へのバッシングやヘイトスピーチを批判する「反ヘイト本」の常設コーナーが登場した。 ジュンク堂書店難波店(大阪市浪速区)。5月下旬、相続税の本を並べていた一角を反ヘイト本のコーナーに変えた。排外主義を取材してきたジャーナリスト、安田浩一氏の新刊「ヘイトスピーチ」、編集者やライターが嫌韓・嫌中ブームが起きる出版業界の事情を書いた「さらば、ヘイト本!」など26冊が平積みで売られている。 立ち寄った同区の物流会社員の男性(44)は「自分に強い主義主張はないが、偏りたくない。この機会に色んな考えの本を読みたい」と話した。 設置を決めたのは福嶋聡(あきら)店長(56)。「市場原理に任せて隣国への憎悪をあおる本を並べていることに違和感があった」と話す。 つきあい