やや古いニュースになるが、4月7日に作家の桐野夏生さんにインタビューをした。この春『OUT』に続いて『グロテスク』の英語版が出たので、その宣伝のために全米の各都市を訪れていたのだ。サンフランシスコに来るのを知ったのは、彼女が来る少し前のこと。正月に日本で購入した彼女の本が2月末に船便で届き、それらをすべて読了してクスリが切れたみたいになってK書店に走った時だ。 <愚かなる熱情> 入り口に桐野さんのサイン会のお知らせがあるではないか。宝くじに当たった気分。神様のお導きだ、絶対にインタビューを申し込もうと即座に思い、未読の『グロテスク』やら『魂萌え!』など著作4作、上下巻7冊の文庫を買って帰った。 即、古い名刺を探し、05年秋に私の本が出た時のK書店との苦い思い出(当店はすべて買い取り制なので、売れる可能性のない本は置けないと本の扱いを断られた)を掻き消しつつ、店長らしき男性にメールを出す。