「たとえば遊びでサイコロを振って、当たり目が5回連続して出たときに、『無駄なことで運を使っちゃったな』と感じる人は、予期後悔をしやすい人といえるでしょう」(村上さん) 写真提供/AFLO 「運も実力のうちですから」 スポーツ、ビジネスなどの分野で結果を残した人から、ときどき聞かれるこの言葉。特に結果も残してなければ、運があるとも思えない立場からすると、「それって結局ものの考え方なのでは」とも思ってしまうが、これって実証できたりするのだろうか。 「運自体は科学的に実証できるものではありませんが、主観的な『運の捉え方』の違いによって、物事の決断や考え方に変化が生まれるのは事実です。『運も実力のうち』というのは『運に個人差がある』とする考え方の一例で、日本人の実に8割もの人が同様の考え方を持っています」 そう話すのは、社会心理学の側面から運の認知について研究している、神戸山手大学の村上幸史