政府は2日、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制に関する閣僚会議を首相官邸で開き、入院対象を重症者らに限定する方針を決めた。肺炎などの症状がある中等症のうち重症化リスクが低い人は自宅療養とし、家庭内感染の恐れや自宅療養が困難な場合は、ホテルなどの宿泊療養も可能とする。デルタ株の広がりで新規感染者が1万人を超える日もあり、病床不足への懸念が強まっているため、事実上の方針転換となる。 これまでは軽症や無症状が自宅または宿泊療養、中等症以上が原則入院だった。入院要件をより厳格にすることで、限られた病床を効率的に使うのが目的だが、自宅療養者が増えれば容体の急変時に迅速に対応できない恐れがあり、健康観察態勢の整備が急務となる。