「手術しか方法がない」 「とにかく外科医は切りたいんです。反対に言えば手術をしないと、外科医は評価されない。何件手術をこなしたかが重要な世界ですから。 患者さんへの決めゼリフは一つです。『手術しか方法がない』――本当は手術をしたからといって完治する保証はないし、失敗した事例もあるのですが、それは絶対に口にしません」(医師で医療ジャーナリストの富家孝氏) 患者にとって本当に手術が適切かどうかより、自分の実績のほうが大切。だから患者には「助かりたければ手術しか選択肢はない」とウソをつく。 「超高齢のがん患者さんで、手術しても余命が変わらないのに家族に『寿命が延びる』とウソをつき手術を選択させた。外科医は手術こそが最高の医療だと思いこんでいる」(民間病院の医師) なぜ外科医はそこまでして手術をしたがるのか。 児玉医院副院長の児玉知之氏が語る。 「その理由は論文執筆のため、実績を作って出世するため