これも今書いている本の一部です。長いです。 今はどうなっているかは分からないのですが、そういえばぼくが米国のニューヨーク市で研修医をしていたときには、 開業医が病院でも主治医をやる、というシステムを取っていました。かかりつけの患者さんが何かの理由で入院すると、その開業医が主治医となる。その場合は「プライベート患者」という枠組みになり、ぼくら研修医はその医師の指示に従って検査や治療を遂行するのでした。 ぼくが勤務していたセントルークス・ルーズベルト病院では、そういうプライベート・プラクティスの患者さんも概ね、問題なく診療できていました。しかし、なかには明らかに入院診療に慣れていない医師もいて、そういう医師の指示は非効率だったり、最新のエビデンスから外れていた非科学的なものだったりして、研修医の評判はよくありませんでした。「おれ、またドクターAのプライベート患者もっちゃったよ。変なオーダーばか