9月上旬は飛ぶように過ぎた。全く僕には一瞬にすら思われた。でもようやく久々に忙しく走り回らなくてもいい一日があって、昼に起きて白いご飯と味噌汁と塩辛で食事にしたら何だかとても気分が落ち着いた。それで僕はついに映画を見に行くことにしたのだ。 どうせ三軒茶屋かどこかで見られるとばっかり思っていた。誰もが注目している、いっとう大事な映画なのだから、どんな映画館でも今はこれをかけているに決まっているんだと勝手に思いこんでウェブで確認したが、実際そんなことはなかった。それで結局は渋谷に出向いてバイクを駐車できなくて、新宿まで行った。 正直な話、僕は「新世紀エヴァンゲリオン」という作品について文章にしたことがほとんどないのだ。 僕が初めてこの作品を見たのはテレビの本放送で、そのとき見たのは「第弐拾弐話 せめて、人間らしく」だった。スーパーファミコンのゲームを遊び終えた僕はテレビを付けっぱなしにしたまま