「なぜ英語の民間試験導入は進められたのか?」 前回、私たちは、この疑問に迫るため、文部科学省の官僚たちを取材しました。その中で、ふに落ちなかったのが、問題があると知りながら、活用に踏み切ろうとした大学の姿勢でした。 (霞が関リアル取材班 伊津見総一郎 鈴木康太 大河内直人) 民間試験の導入が延期され、1週間が過ぎた今月8日、私は熊本に飛びました。「国立大学協会」、通称、国大協と呼ばれる組織の会合が開かれると聞いたからです。 国大協には、全国86の国立大学が加盟しています。目的はもちろん、延期された民間試験について、学長らの見解を聞くためでした。 午後から始まった会合。東大(代理)、京大を始め、そうそうたる大学のトップが顔をそろえました。私は、「どんな意見が相次ぐのか」と、彼らの発言を待ちました。 ところが、民間試験について言及したのは、豊橋技術科学大学の大西隆学長と京都工芸繊維大学の森迫清