すでに一部メディアで報じられている通り、6月27日に開かれた東京都教育委員会(以下、都教委)の定例会で、『高校日本史A』『同B』(共に実教出版)という2冊の教科書について、国旗掲揚・国歌斉唱に関する記述(後述参照)を理由に「使用は適切でない」とする「見解」が提示された。木村孟委員長が「私から教育長【編註:都教委の事務執行責任者】に対し、教育委員の意見を踏まえて見解をまとめ、校長に周知するよう指示した」と述べると、それまでは活発に発言していた委員たちは全員沈黙。下を向く委員もいるなど重苦しい空気のなか、文部科学省の検定に合格した教科書について、都教委が学校側に対し不採択を強要するという前代未聞の「見解」が決定され、直ちに全都立高校校長に伝達された。 都教委は、実教出版の教科書を「使用不適切」とする理由について、本文ではなく側注の次のくだりを挙げている。 「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸