<内戦開始から6年がたち、いまも続くシリアの悲劇。ドキュメンタリー映画『シリア・モナムール』にも描かれる無差別「空爆」の残酷さは、約70年前、日本で30万人以上の死者を出した「空襲」とつながっている> 3月11日、シリア内戦を扱ったオサーマ・モハンメド監督のドキュメンタリー『シリア・モナムール』(2014年、公式サイトはこちら)の栃木県小山市での上映会に招かれ、上映の後、シリア内戦について話をした。私はこの映画を昨年の劇場公開前の試写会で見たが、すでに1年近くたち、細部の記憶が曖昧になっていたので改めて上映会で見直した。 映画は6年前の2011年3月に始まったシリア南部の都市ダラアでの大規模デモの映像から始まる。同年1月、2月にチュニジアとエジプトの強権体制を崩壊させた若者たちのデモ「アラブの春」が、シリアにも波及していた。ダラアでは10代の少年たちがアサド政権の崩壊を求める落書きを描いた