佐々木敦さんは「単独者」を標榜する人が「デモに行こう」と呼びかけることは矛盾しているという。そして本が売れている構造はシールズとネトウヨに共通であるともいう。そしてシールズはそれらのことに自覚的ではないのだそうだ。なんとも偉い批評家だ。 まず、議論が雑だ。シールズはその矛盾に気がついていないと何を根拠に言っているのか。「自分たちだけが覚醒している」感を出せば、これほどあやふやな議論でも商売になるというのだから「批評」というものはすこぶる素晴らしい。 これほどにナメている人に対して、親切にも、少しだけ真面目に向き合ってみよう。シールズは、その前身であるサスプルを始める前から、その矛盾には自覚的であったし、それをあえてフィクショナルに上演しようと決意していた。それは2013年の末か2014年のはじめ、新聞の取材にどんなスタンスで答えようかと、どっきょと奥田と、やつらのシェアハウスで話し合ったと