この年末、内閣官房・衛星情報センターが運用する偵察衛星「情報収集衛星(IGS)」を巡って、3つの動きがあった。最大のものは、安倍政権が特定秘密保護法を成立させたことだ。安倍晋三首相は12月9日の記者会見で、「特定秘密」に指定する政府情報42万件のうち9割が衛星画像に関する情報だと発言した。この9割の大部分が、IGSが取得した地球観測画像であることは間違いない。 これに先立つ11月13日~12月2日にかけて、内閣官房は台風30号により大きな被害を受けたフィリピン各地域の被害状況地図を次々と公開(関連情報)した。IGSが撮影した画像を解析した結果を地図上にまとめたものだ。内閣官房が、IGSで取得したデータを解析した結果をまとめて公開するのはこれが初めてである。