LSIの動作に影響する1MeV(メガエレクトロンボルト)以上のエネルギーを持つ中性子は、海抜0mでは、おおよそ14個/平方cm・時程度であるが、高度が高くなると通過する空気の層が薄くなるので数が増え、4000m級の山頂では5倍~10倍になる。 しかし、これらの中性子がすべてLSIチップのシリコン原子に衝突するわけではない。中性子から見るとシリコンはスカスカで、大部分は通り過ぎてしまい、ごく一部がシリコン原子に衝突する。このため、チップがどちらを向いていてもエラー率はほとんど同じである。 一般的なSRAMのビットやフリップフロップ1個の中性子ヒットによるエラー率は1/1000fitから1/10000fit程度である。ただし、これは海抜0mの値である。このfit数は1ビット分であれば十分に小さい値であるが、8MBのキャッシュであれば約80M(8×10の7乗)ビット(パリティやタグのビット数を含