真剣さを欠いた「お試し改憲」の危険 国民はなぜ、憲法改正を真正面から捉えていないのでしょうか。それは、国民が改憲派の「本音と建て前」「お試し改憲」に気付いているからではないでしょうか。 改憲しやすいところを優先する「二段階改憲論」は、自民党の船田・憲法改正推進本部本部長代行が公にしており、安倍首相も同じ趣旨の発言をしています。安倍首相のブレーンである人たちも以前から主張してきました。昨年刊行された『これがわれらの憲法改正提案だ』(日本政策研究センター)という書籍の中では、現在の憲法を欠陥住宅に例えた話が出てきます。そこでは、本来であれば住宅を一から建て替えるべきだが、こだわりを捨てて部分的なリフォームから取り組むべきという戦略が語られており、とにかく改憲しようという改憲派のスタンスが見えてきます。 このような、本当の目的を隠して「とにかく改憲できればいい」というスタンスは、国民統合の観点か