今回のテーマ:『七人の侍』と『ゴジラ』には共通点があった。ともに昭和29年(1954年)に公開されたことと、音楽を担当した2人の作曲家が親友であり、2014年が生誕100年であることだ。 1954年(昭和29年)、日本映画は時代を超える傑作を2つ産みだした。『七人の侍』(黒澤明監督:4月26日公開)と『ゴジラ』(本多猪四郎監督:11月3日公開)だ。今年2014年は、この両作品が公開されてから60周年の記念の年である。実はもうひとつ、この2作品にとって今年は大きな節目だ。七人の侍の音楽を担当した早坂文雄(1914~1955)とゴジラの音楽を担当した伊福部昭(1914~2006)――。2人の作曲家の生誕100年なのである。2人は少年期に札幌で知り合い、同じ音楽の道を志し、生涯を通じての親友だった。 早坂はたおやかな旋律美が持ち味の天才肌にして、筆が早いモーツァルトタイプ。一方伊福部の音楽は、剛