2018.08.30 イノベーションに天才は不要、異分野融合の場こそが重要 島津製作所 田中耕一記念 質量分析研究所 所長 田中耕一氏 日本には、粛々と仕事を続けた先でノーベル賞を受賞した技術者がいる。これこそが、日本のものづくりの強さの本質を、端的に示した事実である。多くのものづくり企業が、国際的な競争力を高めるうえで、イノベーション創出と独創性の大切さを口にしている。ただしそこで、「イノベーションは天才の産物である」といった、神頼みのようなことを言ってしまったら、何の施策もできなくなる。日本は、多様で高レベルな科学技術が集積する稀有な国だ。しかも、チームプレーで研究開発することにも長けている。2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所 田中耕一記念 質量分析研究所 所長の田中耕一氏は、自らの体験に照らして、こうした日本の特性を生かした異分野融合の重要性を強調する。今も企業に籍を置き