南スペインのグラナダに、13世紀から14世紀にかけて建てられたイスラム建築のアルハンブラ宮殿があります。ヨーロッパの古い街並風景の中に、ポツンと取り残された高雅なイスラム建築は、イスラム帝国の栄枯盛衰の象徴とも言われています。 宮殿には壁、天井、床、面という面にさまざまな幾何学模様の装飾が施されています。イスラムの戒律に、偶像崇拝の禁止があるため、イスラムの芸術家はモチーフを幾何学模様に特化して発展させたのです。この宮殿には、単一模様の繰り返しによって平面を敷き詰める模様、すなわち1種類のタイルで平面を敷き詰めたような模様がいくつもあります。 これらすべての模様について、タイルの形と並べ方のパターンと、タイルの中に描かれる模様がどんな対称性を持っているのかという組み合わせ方を基準にして分類すると、この宮殿の繰り返し模様は全部で17種類の異なる描き方がされていることが分かります。これら以外の