フラッシュメモリのデータ記録部分であるフローティングゲートと、そこに電子を蓄えておくための絶縁膜があることは前回お話ししたとおりですが、その絶縁膜が「消去」「書き込み」の繰り返しによって劣化し、最後には寿命を迎えます。1千~1万回という書き換え可能回数は、一見すると十分な寿命にも感じられるかも知れませんが、用途によってはそうとも限りません。例えば1秒間に1回、特定のデータを書き換えるプログラムが存在した場合、そのプログラムがフラッシュメモリの特定のアドレスに秒単位で現在時間を書き込んだとしますと、秒の最下位ビットは毎秒「0」と「1」を交互に行き来するため、2秒ごとに書き込みと消去が行われます。1時間は3,600秒ですから、1時間あたりの書き換え回数は1,800回となり、1千回の書き換え回数にはわずか30分余りで、1万回でもたった6時間ほどで達することになり、フラッシュメモリのセルが寿命を迎