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愛すること、愛されること、それだけだ。それが掟だ。 そのために我々は存在する。 愛に慰められた者は、誰をも恐れはしない。(ルソー) 第一章 新しき絆 ・・・・・・藤井哲也が大平一郎に匕首で腹部を刺され、聖経医大病院に緊急入院して二週間が経っていた・・・・・・ 哲也の病状が順調に恢復に向かっているのを見た西條直樹は、近くのホテルを引き払うと、自宅から斉藤透と共に病院に通うようになった。今日も朝食を済ますと、病院へ出かけた。 院内は日曜日のせいか人気も少なく静かだった。哲也は顔色もよくなり、その表情にも明るさが戻ってきた。ふたりが病室に入ってくるなり、哲也は身を起こすと、嬉しそうに声をかけてきた。そして早く退院して家に帰りたいと訴えて、直樹を困らせていた。 午後、外で透と昼食をとったあと、直樹が病室にもどると、ひとりの見舞客がきていた。 部屋にはいっていくと、ベッドの傍の椅子に座っ
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