2月13日の午後11時すぎ、福島県沖でマグニチュード(以下ではMと略記)7.3の地震が起きた。震度6強という激しい揺れが宮城県の蔵王町と福島県の相馬市などを襲い、石巻港では20センチの津波が観測された。本稿執筆中まで(2月15日午前)に東北と関東を合わせて152人がけがをし、各地で住宅被害のほか長時間の停電と断水が発生した。また、東北新幹線の那須塩原―盛岡間では電柱が折れたため、2月16日現在も運転を見合わせている。 この「福島沖地震」には、多くの読者が東日本大震災のデジャヴ(既視感)を味わったことと思う。ちょうど3月11日の東日本大震災10周年の約1カ月前というタイミングも相まって、地球科学と火山学が専門である筆者も、我々が「大地変動の時代」に暮らしているということを思いがけず改めて実感させられた。 ここではいたずらに不安がることなく、いつか来る危機を冷静に認識しつつ「正しく恐れ」、でき