5月に実施された公認会計士試験。試験後、資格専門学校が受験生に解答速報を配っていた=東京都新宿区の早稲田大学 「難関」と言われる公認会計士試験に受かったのに、就職できない「会計士浪人」が急増している。企業に勤める財務の専門家を増やそうと4年前から合格者を増やしたが、ふたを開けてみれば、企業は受け入れる態勢になっていなかった。国は再び試験制度の見直しを検討し始めた。 会計士は国家資格で、金融庁が試験をしている。会計士の資格を得るには、会計士試験に合格後、企業か監査法人などで会計監査の実務を2年以上積まなければならない。 金融庁は2006年、「企業内の専門家など幅広い分野で活躍が期待される」として、合格者数をそれまでの1千人台から2千〜4千人台に増やした。ところが、08年の合格者のうち企業に就職したのは1〜2%。試験合格者ではなく経験のある会計士を求める企業が多く、合格者が実務経験する環