集英社新書「イスラーム 生と死と聖戦」を読んでいたら。 …(略)イスラームだけが世界中、どこでも人間による支配を受けずに生きていけるという、そういうシステムです。 本当にそんなことができるのか?実際、正統カリフ時代のダール・アル=イスラームはかなりそれに近いものでした。そして、現に私もかなりそれに近い生き方をしています。 何年か前、出版社の人たちと企画の打ち合わせをしていたときに、痛風発作が起こってしまいました。痛風というのは足が腫れる病気で、とても痛いんです。実は、痛風の発作による痛みは時間とともに薄れるので、私自身はそのままにしておいてと頼んだのですが、心配した編集の人たちが私を病院に担ぎこんでくれました。病院に行くと、保険証の提示を求められました。私は保険証を持っていないというと、怪訝な顔で尋ねられました。「保険証、失くしたんですか?」「大学をやめたときに、保険は脱退しましたから」