リー群は群論の一部 これから「リー群」または「リー代数」と呼ばれる分野について説明したいと思う。 リー群は「群論」と呼ばれる数学の一部分ではあるが、独立した一分野のような広がりを持っている。 群論の教科書を開いてみても「リー群」の話は紹介程度にしか載っていないことが多い。 群論の初歩については分かりやすい本も多く出ているので、私が説明する必要を感じない。 群論を学ぶには多くの具体例を知っておくのがいいと思う。 私はできるだけさっぱりとまとめて説明したい質(たち)なので、 多くの具体例をいちいち紹介するような説明が苦手なのである。 しかし「リー群」というのが何なのかを説明するためには、 「群論」というのがそもそも何なのかを少しくらいは説明しておく必要がある。 読者はこの先を読み進む前に群論の教科書を何冊か、 それぞれの教科書を分かるところまで読んでおいてもいいが、 予備知識がほとんどなかった