アニメ批評が育たないのはなぜか、ライターが既得権益を守っているからだ、編集者が怠慢だからだ、というのはやさしいけれど、本当の原因はぼくはそこにはないと思う。アニメ批評の読者が育っていないことこそが、問題なのです。批評というだけでヒステリーを起こし、くだらない揚げ足取りをするひとばかりが目立つのでは、だれもアニメについて批評なんかしなくなるに決まっている。 東浩紀の渦状言論: 山本寛氏と対談 東浩紀氏による「アニメ批評」批判、というか、批評の根付かないアニメ文化批判。異論が出るのも当然でしょうが、概ね正しいと僕は思います。しかし、批評家に問題がないのかと言えばそうでもないし、一般的にイメージされる「批評家」像はすでに耐用年数が切れているのでそれも更新しなければいけないでしょう。そもそも日本においては、どのようなジャンルであれ欧米と比べて批評家に権威がありません。例えば演劇だと「上演中に朝日新