1.はじめに 2.統計は仮説から生まれる 3.統計は表現物である 4.データはメディアであり表現である 【今回の参考文献】 1.はじめに 統計学やデータサイエンスが持て囃されるようになって久しい。 しかし、社会問題に関する議論で統計やデータを重視する立場の人々の間では、データや統計に対するある誤解が流布しているように思う。 その誤解とは主に以下のようなものだ。 ・統計やデータは客観的な事実であり、個人の主観的な意見よりも信頼できる。 ・統計やデータを根拠にした主張は、そうでない主張より正しい(確率が高い)。 ・統計やデータを使えば、個人的な体験を根拠にした感情論や主観的な感想を述べるだけの議論を避けることができ、有意義な議論をすることができる。 おそらく、多少なりともデータリテラシーがある人であれば上に挙げた三つの思い込みは間違いだというのが分かるだろう。もしくは、条件付きであれば正しいが