意図が伝わる設計書を作るには,前提として「それぞれの設計書がどういう役割を担うか」「それぞれの設計書が相互にどういう関係にあるか」を正しく理解しておくことが重要である。豊富なサンプルとともに,設計書の役割と関係,さらには書き方のコツを解説する。 石川貞裕 日立製作所 情報・通信グループ プロジェクトマネジメント統括推進本部 担当本部長 向坂太郎 日立製作所 情報・通信グループ プロジェクトマネジメント統括推進本部 「基本設計書」と聞いて,どんなものをイメージするだろうか。業務フロー図や画面レイアウト,E-R図など様々だろう。大規模,高品質のシステムを開発するなら,図1に示すような多くの設計書を作成することになる。 中心となる機能要件設計だけでも20種類。それぞれの役割や関係をきちんと理解し,過不足なく設計情報を盛り込むことが求められる。 難しいのは,設計書の読み手が開発者だけではないことだ
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