畏友である杉本氏の「現場で役立つシステム設計の原則」批判 (1) ~何のために、「データとロジックを一体に」するのか?~が話題になっている。取り上げられている増田氏の著書を読んで、私もこのやり方で本格的な業務システムを開発するのは現実的でないと思ったクチである。ところがその本に関して聞こえてくるのはなにやら絶賛ばかりなので、物珍しさもあって杉本氏の批判を興味深く読んだのだが、賛同しつつも何というか中途半端な感じがした。 たとえば、ディスカウントのロジックを「数量クラス」でも「金額クラス」でもなく「受注クラス」に置くべきという指摘は適切である(じっさい私も本を読んでそう思った)。しかし残念なことに、それらの指摘が「より良いオブジェクト指向プログラミングの指針」になってしまっている。 それの何が問題なのか。私に言わせれば、そもそも業務システムをオブジェクト指向プログラミングして手に入れようとす